戸澤の週報

2022年04月10日

クリティカルシンキング

気持ち良い日が続いています。
桜は散り始めていますが、まだ残っている木もあります。
今年は3月の終わりが寒かったので、日持ちが良かったようで、多くの入学式に間に合ったのではないかと思います。
 
クリティカルシンキングと言う思考法があります。
似たような言葉で、ロジカルシンキングもあるかと思います。
この二つとも、論理的に考えて答えを導き出すという点では同じです。
違う点は大きくは2つ。
1つ目はそもそもの前提を疑うことです。
例えば、顧客満足度の向上を図るために、ある業務手順をの変更をするとします。
この変更に対するTさんの主張は以下の通りでした。
 
忙しい現場に急な業務手順の変更ではうまくいったためしがありません。
もしやるのであれば、十分な時間を取った上で人員を増加する必要があります。
 
この「忙しい現場に急な業務手順の変更ではうまくいったためしがない」と言う前提には、3つの不明瞭な点があります。
①「忙しい現場」→本当に全ての現場が忙しいのか?何をもって「忙しい」のか?
②急な業務手順の変更→「急な」とは、どの程度が急なのか?
③「うまくいったためしがない」→「うまくいく」「うまくいかない」とは、具体的にどのような状態なのか?
 
このように、意見や主張の中に「忙しい」、「急な」、「いつもうまくいかない」のように、程度や状況が明確になっていない点がないかを常に意識しておくことが大切です。
「みんなが言っているから」とか「前からこのやり方だ」などの良く聞く不明瞭な言葉を、瞬時に疑い、改めてその根拠を調べることがクリティカルシンキングの第一歩です。
 
2つ目は「思考の偏り」を疑うことです。
例えば自社の売上が下がってきた場合です。
確かにマーケットの景況感も下がってきている時期だったため、「市況の悪化」と結論付けられなくもありません。
ここで「市況の悪化」と決めつけてしまうと、問題の本質にたどり着けなくなります。
また、数年前にもこのような売上が下がった時の理由が、営業活動量の低下だったことがあるので、今回も営業活動量を増やすことでこの局面を乗り越えようとすると、同じく大切な原因を見逃すことになってしまいます。
思考の偏りを見抜くのに有効な方法として「オズボーンのチェックリスト」があります。
一つの事柄に対して「転用」「応用」「変更」「拡大」「縮小」「代用」「置換」「逆転」「結合」と言う9つの視点で考えを、上下・左右に大きく展開させる思考法です。
クリティカルシンキングにおいて、一度出した結論を、「他にはないか」「何かで代用できないか」などの観点で再検討すると、自分の思考の偏りや癖に気が付く頃ができるようになってきます。
先ほどの例で、自社の売上が下がってきたことに対しての結論を、自社が提供しているサービスの付加価値が他社に追い越されたことによる、付加価値の喪失となったことにしましょう。
そして、また新しい付加価値を生み出す必要があるのですが、ここでこの「オズボーンのチェックリスト」を使ってみます。
この会社は、学生向けの机を提供しているとしましょう。
「転用」在宅勤務に特化した製品
「応用」観葉植物のディスプレイが可能な仕様に変更
「変更」自分で動く仕様に変更する
「拡大」長さを1.5倍にして、2人同時に使用できる仕様にする
「縮小」人が一人ギリギリ使える、隙間に設置可能な仕様に変更
「代用」新しい素材であるチタンを取り入れて軽量化する
「置換」椅子を先に決めて、その椅子に合う机をカスタマイズできるサービス
「逆転」ベッドが昼間には机として使用できる構造に仕様を変更
「結合」出窓を机に変えてしまうサービス
ざっと考えただけで、これだけのアイデアが出ます。
自社の製品やサービスでこのやり方で考えて見るだけで、新しい発想を持って取り組むことができます。
 
変化の激しい現代において、問題の本質にたどり着くのが、従来よりも難しくなってきていると思います。
このクリティカルシンキングを取り入れることで、問題解決までの時間を大きく節約し、より大きな成果が出る可能性が高まります。


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